「良いモノは手をかけて長く使うのがカッコいい。」
最近になって心にしみるようになった言葉だ。
今までは何でも新しくてきれいなものが一番だと思っていたが、
最近考えが変わってきた。
少しずつ大人になれているということなのだろうか?
古いレザージャケットを手入れした話と合わせて記事にしてみようと思う。
義父から受け継いだ一着
ある日、妻の実家で発見された一着のレザージャケット。
義父が若い頃、バイクに乗っていた時に愛用していたものだという。
長年押し入れにしまわれていたにもかかわらず、カビなど無く破れなど致命的なダメージはなし。
ジッパーの取っ手が欠けていた以外は、かなり状態が良いジャケットだった。
ガタイの良い義父が着ていたのでサイズはLサイズ(US)。
当時大きいサイズのジャケットがなかなか見つからなくて東京まで探しに行ったらしい。
私にとっては少しオーバーサイズだが、着れないことはない。
私が最近バイクの免許を取得したということもあり、快く譲ってもらった。
レザージャケットのメンテナンスに挑戦
これまで革靴や財布のメンテナンスはしてきたけれど、ジャケットほどの大物は初めて。
まずは軽くブラッシング。
使ったのは馬毛のブラシで、繊維に入り込んだホコリやチリをやさしく払い落とす。
次に、レザークリームを少量ずつ手に取り、丁寧に馴染ませていく。
少しずつ革に潤いが戻り、柔らかくなっていく様子が見ていて気持ちいい。
革がまるで息を吹き返したかのような、そんな感覚だ。
ジッパー修理で仕上げる
大まかなクリーニングがすんだら、次はジッパーを修理していく。
バイクに乗る際に着るつもりなので、ジッパーが閉まらないのは困る。
欠けていたジッパーの取っ手と同じサイズのものを探し、ネットで注文。
今回修理に使用したのはYKKファスナーの10号サイズ。
かなり大きい。
少し時間がかかったが、何とかジャケットに傷をつけずに交換することができた。
押し入れで眠っていたジャケットが30年ぶりに復活した。
良いモノを長く使うということ
大量生産・大量消費の時代の中で、
こうやってひとつのモノに手をかけて使い続ける経験は何とも贅沢だと思う。
義父が大切にしていたその想いを引き継ぎ、
そして自分の手でメンテナンスしながら長く使っていく。
「モノを持つ」ということの本当の意味を、少し理解できたような気がする。
他の革アイテムにも目が向くように
余談だが、それ以来ブーツやバッグなど他のアイテムにも目が行くようになってきた。
手入れをすることで、単なる「所有物」が「相棒」になっていく。
そんな楽しみを知ってしまった今、モノ選びの基準も少しずつ変わってきたように感じる。
これからも「一生モノ」と呼べるアイテムを、自分なりのペースで増やしていきたいと思う。
まとめ:カッコよさとは手をかけること
手間を惜しまず、古いものにもう一度光を当てる。
それこそが、今の時代のカッコよさなんじゃないかと思う。
ジャケットに袖を通すたびに、そんな価値観を思い出させてくれる。
義父にも、革ジャンにも、「ありがとう」と言いたくなる。
そんな気持ちにさせてくれる一着との出会いでした。