皆さんこんにちは。
ツチヤです。
「ブッシュクラフト始めたいけどどんなナイフを買えばいいのかわからない・・・」
「そもそもナイフって絶対必要なの?」
そんな疑問を持っている方も多いのではないのでしょうか?
今回はそんなアウトドア初心者のための、
「ブッシュクラフトナイフの選び方」
を紹介しようと思います。
1. ナイフを買うときに重要なポイント
1-1 やっぱり見た目が大事!
ナイフを購入するときに一番大事なこと。
それは「見た目」です。
えっ?大きさや形ではなく見た目!?
はい。自分の好みの見た目のナイフを選ぶことが大切です。
確かに大きさや形状によってナイフでできる仕事に向き不向きはあります。
ただし、全く不向きの作業をこなせないかというとそうではありません。
例えば小さな折り畳みナイフでも時間をかければ太い木を切れますし、
大きな鉈でもやりにくいですが料理をしたり木を削るといった細かい作業ができます。
ナイフは自分の相棒ともいえるツールですから、使っていて楽しいと思えることが何より重要です。
そのためには自分の好みのデザインのナイフを使うことをおすすめします。
1-2 どんな用途に使いたいか
「ブッシュクラフトにナイフは絶対に必要なのか」
確かに絶対に必要というわけではありません。
ただ、あったほうが何倍もブッシュクラフトを楽しむことができます。
その理由は、
「ナイフがあると荷物を減らすことができるから」です。
テントがなくてもナイフがあればシェルターを作ることができますし、箸やスプーンがなくてもナイフで木の枝を削って作ることができます。
軽装備で森に入り、足りない道具は自分で工夫して自作する。
私はこれこそがブッシュクラフトの醍醐味だと思っています。
人によってブッシュクラフトの楽しみ方は違うと思いますが、私はナイフをがあったほうがよりブッシュクラフトを味わえると思います。
1-3 何にでも使えるオールマイティなナイフとは
「見た目が重要なのはわかったけど、結局どんなナイフがいいの?」
確かに見た目は大事ですが、メインで使う道具は性能も重視したいですよね。
結論から言いますと、
おすすめは「細工から薪割りまでオールマイティに使えるナイフ」です。
具体的に言うと、
- 刃長は10cm前後
- 刃厚は3mm前後
- スカンジグラインド
- 刃の鋼材はステンレス
のナイフがおすすめです。
上記の仕様こそが、私の考える最もオールマイティなナイフです。
ナイフのステータスについて、詳しく解説していきます。
2.ナイフを選ぶ際に知っておくべきこと
2-1 刃長と刃厚について
まずは基本的な刃長と刃厚についてです。
刃長は短いほど細かい動きに向いており、長いほど大きな動きに向いてきます。
また、刃長がそのまま加工できる木の太さとなります。
刃厚は薄いほど刃が鋭くなり、厚いほど耐久性が高くなります。
そして、取り回しの良さと切れ味、耐久性のバランスが最もとれているのが
「刃長が10cm、刃厚が3mm程度」のナイフです。
あとは自分の手の大きさや、用途に応じて選べばいいと思います。
例として、
私は鉈や鋸を持ち歩かないため、ある程度太い木を加工できるように刃長12.5cm、刃厚5.5mmの少し大きめのナイフを所有しています。
2-2 鋼材について
ナイフに使われる鋼材ですが、大きく分けて「ステンレス」と「炭素鋼(カーボンスチール」に分類することができます。
それぞれの鋼材の特徴を挙げてみます。
○ステンレス
- 粘りが強く、欠けにくい
- 硬すぎないため、研ぎやすい
- 錆びないため、手入れが楽
- 刃持ちはあまり良くない(すぐキレ味が落ちる)
○炭素鋼
- 硬度があり、切れ味が良い
- 刃持ちが良く、切れ味が落ちにくい
- 刃が硬いため初心者には研ぎにくい
- 手入れをしないと錆びやすい
- 刃を薄くしすぎると欠けてしまいやすい
これだけを見ると炭素鋼が悪いように見えてしまいますが、しっかりと研ぎあげた炭素鋼の切れ味と刃持ちはステンレスとは比になりません。
とはいえ初心者の方はステンレスの刃物で研ぎ方などを練習することをお勧めします。
また、和式刃物の鋼材は「青紙」「青紙2号」「青紙スーパー」「白紙」などの名前がついています。
日立金属(株)が開発した鋼の名前なのですが、分類としては炭素鋼となります。
なので上記の炭素鋼と同じような性質になります。
ただし、「2号」などと付いているものは炭素の量が変わっており、「青紙」「青紙2号」を比較すると「青紙2号」のほうが粘りが強い鋼材となっています。
なのでイメージ的には、「青紙2号」「青紙」「青紙スーパー」の順で切れ味が上がる代わりに欠けやすくなる、と覚えておきましょう。
初心者には「青紙2号」がおすすめです。
2-3 形状について
ナイフの刃の形状には種類があり、それぞれ特徴があります。
下の図は代表的な刃の形状の断面図になります。
特徴は以下の通りです。
○ホロウグラインド
- 刃が薄いため研ぎやすい
- 切れ味が鋭い
- 耐久性が低い
- 耐久性向上のためにマイクロベベルがついていることが多い
○フラットグラインド
- ホロウグラインドよりは耐久性が高い
- 刃先は薄いため切れ味は鋭い
- 耐久性向上のためにマイクロベベルがついていることが多い
○スカンジグラインド
- ブッシュクラフトナイフの中では最も一般的な形状
- 刃先の角度が大きいため上記2つと比べて耐久性が高い
- 切れ味と耐久性のバランスが最も良い
○コンベックスグラインド(ハマグリ刃)
- 刃が丸まっているため切れ味は最も鈍い
- 耐久性が高く斧や鉈に使われることが多い
- 刃が丸いため、研ぐのが少し難しい
マイクロベベルとは、糸刃とも呼ばれているもので、刃先についている小さいベベル(傾斜)のことを言います。
マイクロベベルがあることで多少切れ味は鈍りますが、刃先の角度が大きくなり欠けにくくなるというメリットがあります。
慣れてきたら自分で研ぐ際にマイクロベベルをつけたりなくしたりできるので、あまり気にしなくてもよいと思います。
初心者の方にはオールマイティに使えるスカンジグラインドがおすすめです。
2-4 ハンドル構造、その他のブレード形状について
ハンドル構造とはハンドル内部まで金属が通っているか、またはその形状のことです。
薪を割ったりとハードな使い方もするブッシュクラフトでは、刃からハンドルまで一枚の金属がつながっている「フルタング構造」がおすすめですが、よほどのことがなければ刃が折れることはないのであまり気にしなくてもよいかと思います。
ここでいう「ブレード形状」とは刃を横から見た時の形状のことを言っています。
これも様々な形状があるのですが、よほど変な形状でもない限り問題なく使用できると思いますので、これもあまり気にしなくてもよいと思います。
しいて言うなら「ユーティリティポイント」がおすすめです。
両刃、片刃についてですが、ブッシュクラフトナイフでは「両刃」をお勧めします。
片刃はたたき切る能力に特化していますが、薪を割るバトニングには不向きですし、食材をさばいたりするのも苦手なのでメインナイフにするのはお勧めできません。
メインナイフとは別の鉈などを持っていく場合は片刃でもよいかもしれません。
上記の内容については土佐の和式刃物メーカー「トヨクニ」様のHPで詳しく説明してありますので、そちらものぞいてみてください。
3. 価格帯別ブッシュクラフトナイフを紹介
ナイフを選ぶための一通りの基礎は紹介いたしましたので、あとは好みの見た目のナイフを探してみましょう。
一応参考としてブッシュクラフターの間で人気のある(?)ナイフを個人的にピックアップしてみましたので、参考にしてみてください。
価格は鋼材などによって変わるので参考程度に😅
3-1 1万円以下のナイフ
・モダンスカンジ アロカス(約\2000)
Bush Craft Inc.が販売しているブッシュクラフト向けのナイフです。
刃厚は2mmで多少薄めですが、グリップには滑りにくいハニカム構造を採用しています。
また、背の部分でメタルマッチの火花を飛ばすこともできます。
ステンレスなのでさびにくいです。
・モーラナイフ Heavy Duty カーボンスチール(約¥2500)
いわずと知れたスウェーデン発祥のド定番ナイフです。
安価なうえに品質が良く、初心者の方には特におすすめなナイフです。
Heavy Dutyは通常モデルよりも刃厚が厚く、3.2mmあるためバトニングも可能です。
最初は安く済ませたい方にお勧めです。
・モーラナイフ Heavy Duty ステンレス(約¥2500)
先ほど紹介したモーラナイフHeavy Dutyのステンレスモデルです。
刃がステンレスになることで、水場などでも気兼ねなく使用することができます。
オールマイティに使用するならばステンレスがおすすめです。
・ユニフレーム UFブッシュクラフトナイフ(約\5500)
メイドインジャパンのブッシュクラフトナイフです。
低価格帯では珍しいフルタングモデルで、刃厚も3.5mmと厚めです。
鋼材はステンレスを使用しているためさびにくいです。
・Real Steel ブッシュクラフトプラス(約¥9480)
先ほど紹介したブッシュクラフト2の上位モデルです。
より質の良いステンレス鋼になり、刃厚も4.5mmとかなり厚い部類になります。
この辺まで来ると食材をさばいたりすることは苦手になりますので、自分の用途と相談して決めましょう。
3-2 1万~2万円のナイフ
・モーラナイフ ガーバーグ(約¥11340)
モーラのブッシュクラフト向けのモデルになります。
フルタング構造になり、刃の背が高くなっていることでバトニングしやすいモデルとなっています。
また、刃の背は90°になっており、メタルマッチを削ることも可能です。
海外でもかなり人気のブッシュクラフトナイフです。
・Varustereka テラバジャガープーッコ(約\12800)
北欧のブランドのナイフです。
刃厚は4.2mmと厚めですが、スカンジグラインドで扱いやすいです。
グリップも太く握りやすいです。
見た目は良くも悪くもシンプルなので好みが分かれるかもしれません。
一部では「ガーバーグキラー」と呼ばれていたりします。
・Kellam ウルヴァリン(約¥13237)
こちらも北欧フィンランドのナイフです。
見た目がクラシックで、木のハンドルがおしゃれです。
スマートな見た目ですがハンドルが太くて持ちやすく、刃も3.3mmあり多少のバトニングも行えます。(フルタング構造ではないので注意!)
刃長は9.5cmと少し短めですので、手の小さい方にもおすすめです。
・コールドスチール マスターハンターサンマイ(約¥15900)
私が愛用しているナイフの一つです。
コールドスチールはアメリカでナイフなどの刀剣類を製作している会社です。
硬い金属を粘りのある金属で挟み込んで成型する、日本の刀鍛冶の技術「三枚打ち」でブレードが作られているため、強度と粘りを持ち合わせています。
フルタングではありませんが、荒々しく使っても壊れない耐久性があります。
公式のpvでは車のボンネットにナイフを刺したりしてました・・・
・ファルクニーベン F1z(約¥17000)
見た目はマスターハンターに似ていますが、性質は正反対のナイフです。
ナロータングでフラットグラインドのマスターハンターとは違い、こちらのナイフはフルタングのコンベックスグラインドです。
とにかく強度があり、ガンガン薪を割りたい人におすすめです。
3-3 2万円以上のナイフ
・トヨクニ 土佐アウトドア剣鉈(約¥21016)
日本の刃物メーカー、トヨクニの剣鉈です。
ヨーロッパで開催されているアウトドアナイフショーで大賞を受賞している刃物です。
剣鉈特有の太くて握りやすいグリップ、指を切らないように付いているヒルトが特徴です。
海外のナイフとは違う雰囲気があり、和式刃物好きの方にはとてもおすすめです。
鋼材はバランスの取れた青紙2号がおすすめです。
・Helle テマガミ(約¥27000)
こちらも北欧のナイフメーカーのナイフです。
カーリバーチのハンドルがとても美しいです。
ハーフタング構造で強度もあります。
ただし、バトニングの際にハンドルが欠けることがあるようなので注意してください。
流通量が少なく、手に入りにくいかもしれません・・・
↓こちらは正規輸入代理店のUPI様のHPです。
http://www.uneplage.net/?pid=80543279
・バークリバー ブラボー1(約¥30000)
いわずと知れたアメリカの有名なナイフメーカーです。
軍隊で使われている実績もあるようです。
刃厚は驚異の5.5mm、フルタングのコンベックスグラインドです。
正直日本で使う分にはオーバースペックな気もしますが、ロマンのあふれた素晴らしいナイフです。
私は少し刃が長めのブラボー1.25を使っています。
バークリバーのナイフは日本のサイトで買うと高いので、正規販売店の「DLT trading」で購入することをお勧めします。
・Helle ディディガルガル(約¥34000)
Helleのフルタングタイプのナイフです。
テマガミよりも頑丈なので、ハードに使うことができます。
こちらも流通量が少ないので、購入できた方はかなりラッキーです。
4. まとめ
いかがでしたでしょうか。
最後に記事の内容を簡単にまとめておきます。
- ブッシュクラフトにはナイフがあったほうがより楽しめる
- 初めて買うナイフはオールマイティに使用できるものがおすすめ
- 性能も大事だが、見た目が一番大事
皆様がナイフを購入する際に少しでも役に立てば幸いです。
それでは、また。